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 手元で鋭く落ちる変化球。それまで投げていた、タイミングを外すカーブとは違う
軌跡を描いた132キロ。ルーキーも思わず空を切った。「曲がりがすごかった。速
かったので、(カーブではなく)カットだと思いました」。脱帽する木浪に、本人は
「すごくいいボールを投げることができた」と満足げだ。

 受けた梅野は「縦割れのスライダーに近いパワーカーブのような感じ」と証言。球
速があり、変化の大きい“魔球”パワーカーブで実力の一端を披露。結局、打者5人に
25球を投げて無安打。矢野監督は「調整の段階だから。こんなもんじゃない?」と
及第点としつつ「もっともっと真っすぐも変化球も、強くなってくる」と今後に期待
をかけた。

 中継ぎ、抑えでの活躍が見込まれる右腕は、日本の生活にも順調に適応中だ。「日
本食はすばらしい」とニッコリ。辛い担々麺を食べて「おなかが痛くなった」と笑わ
せつつも「焼き鳥とか刺し身は、おいしかった」。風邪で第3クールを一時離脱した
ものの、遅れはまったく感じさせない。

 「シーズンが待ち遠しい。チームメートとプレーすることが楽しみ」

 最速は150キロを超えるとの触れ込み。今回が“初登板”だったことを思えば今後、
さらに進化した姿を披露してくれそうだ。藤川やドリスらがいる、猛虎自慢のリリー
フ陣を強化するキーマン。開幕までに信頼度をグングンと高めていく。 (織原祥平)