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 赤星 「たぶん、キャンプが始まるまではピッチャーの構想の方が好き勝手にでき
るし、キャッチャー出身の矢野さんからしたら、すごく楽しいのではと」

 矢野 「うん、楽しいよ。ほんと、今、オレ楽しい。シーズンに入ったら楽しくな
くなるかもしれないけれど(笑い)。いまは阪神ファンの感じというか“こいつ、何勝
するんやろう?”とか“アイツが化けたら、どうなるんやろう?”と考えたら、すごく楽
しいし。能見や球児も黙ってないやろう、とか。良い方を考えてるから、すごく楽し
くて。2軍であまり芽が出なかったピッチャーもね。たとえば右の守屋、和雄(伊藤
和)とか、左の島本、飯田はオレは使えると思っている。短いイニングでは。守屋が
去年1軍に上げてもらった時、札幌ドームの試合で中田に4、5球スライダーを続け
てレフト線に打たれたことがあった。そこで言ったのは“あの打たれ方はどう?”と。
オレは“お前は隆に投げさせられたように感じたわ”と。任されることはキャッチャー
としては嬉しいんだけど、オレは“あの打たれた方は悔しいよ”と伝えて。“お前の投げ
方で、右バッターが何を嫌がるかと言えばやっぱり、胸元に投げられること”だと。そ
こに1球も投げることなく、スライダーを打たれるのは、オレなら悔しすぎるやん。
右バッターのインコースにはいつでも投げられる準備ができた中でピッチングをして
いくことが、1軍でも役立つ。なぜなら、1軍に上がっても何も変える必要がなくな
るから。“キャッチャーに投げさせられるのではなく、自分で投げろ”と。そこからは
すごく首も振るようになって、自分で投げる意思を示せるようになった」