>>107
 「(15年から3年間の)ソフトバンク時代の3年間は苦しんだからね。昔と比べ
ると速球の威力は全然落ちたけど変化球(がいい)。とくに右打者の外角に斜めに落
ちて曲がっていくスライダーは全盛期と比べて遜色なかった。僕は直球とフォークの
組み立てが中心。あの球を投げられるようになれば、投球の幅がもっと広がると思う」

 松坂に電話を入れ、来年の春季キャンプ直前の1月下旬、沖縄で再会する約束を取
りつけた。

 カーブも持ち球としては使っているが、投球の軸は、甦った“火の玉ストレート”と
落差のあるフォーク。そこに怪物直伝のスライダーが加われば、鬼に金棒だ。

 虎に復帰3年目の今季は53試合に登板して5勝3敗2セーブ、21ホールド、防
御率2・32。終盤は不調のドリスに代わって九回を任された。オフの契約更改後に
は「クローザーを目指してチャレンジしたい」と宣言。矢野監督も「球児でいいんじ
ゃないかな、という思いもある」と、有力候補に挙げている。

 藤川は「大輔は今年の成績に満足していない。来年は中5、6日の先発ローテーシ
ョンで回れるために今オフはトレーニングに励んでいると聞いている。彼は自分らの
世代のリーダーだと思っているし、すごく励みになる。僕も若い世代に負けないよう
に、まだまだ頑張る」と力を込めた。

 今季限りで村田、杉内、小谷野、後藤ら“松坂世代”が相次いで現役生活に別れを告
げた。

 「来季を飛躍の年にしたい」−。年齢による衰えは感じていない。虎の守護神とし
て、05年から遠ざかっている優勝のために右腕を振り続ける。 (三木建次)