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 交渉の席で、来年7月に38歳となるベテランに“完走”を懇願した谷本修球団副社長
兼本部長(54)も「負けが込みだしたらいつも糸井がいないということで。そこはお
願いしました」と説明。伸び盛りな若手がいる中で、糸井がどっかりと真ん中に座って
いてほしい。その上で“ある数字”の突破も超人に託した。

 「金本監督になってから3年間で、打者で80打点をクリアした選手っていないん
ですよね。途中まで糸井くんが、非常にいいペースで来ていたので。金本監督がすご
く楽しみにしていたので、残念がっていたよ、という話はしました」

 球団で80打点をクリアしたのは、2014年のゴメス(109)が最後。日本人
選手に限れば11年の新井(93)にまでさかのぼるほど、今の虎にとっては壁とな
っている数字だ。糸井は骨折する6月30日まで全70試合に出場し10本塁打、4
0打点。単純に倍と考えても「80」の壁は十分にぶち破れる。糸井も首位打者を獲
得した14年に81打点でクリアしたが、来季の成績に「全部伸ばしたいです」と腕
をぶした。求めるのは全試合出場だ。

 「もっと出られていたら成績も伸ばせたと思う。やっぱり試合に全部出ること。絶
対に来年、みんなで力を合わせて勝ちにいきたいなと思います」

 自覚と責任を背負い、最後までグラウンドに仁王立ちする。虎の中心は、まだまだ
超人だ。 (竹村岳)