村田「現役引退」の事態を招いてしまった原因は?記者はこう見る

村田ほどの選手が、ここまで宙に浮くのは不自然。だから素性を知らない球界関係者やファンは
「何か“裏”があるのでは」と踏んだ。こんな“風評”も、巨人には即座に否定してほしかった。
「素行不良」で、外様初の巨人選手会長など務まらない。ネット上にあふれた臆測の数々は、村田の
家族も苦しめた。彼は息子に「オレが見て傷つくようなものを、お前らが見なくていいんだ」と声を
かけたという。

「FAで巨人を選んだ以上は覚悟の上だろう」との声も聞く。だがアフターフォローができるのも、
巨人の強みではなかったか。こんな末路では、今後は移籍に二の足を踏む他球団の選手も増えるだろう。

もうひとつだけ、DeNA(村田在籍時は横浜ベイスターズ)とそのファンに対しても言いたい。
村田が横浜に「砂をかけて出ていった」というのは違う。むしろ、ハマスタ最後の試合で出ていけと
ばかりに家族が乗り込む車へ「卵を投げつけた」のはベイスターズのファンの方だ。球団も勝利に飢
えていた村田に希望の道筋を提示できなかった。当時、加地社長(故人)は「出るべきだ」と背中を
押したほどだ。

九州出身の村田は、今もハマスタからほど近くに自宅を構える。千客万来の港町。たとえ戦力と計算
できなくとも、古巣だけには受け入れる度量を見せてほしかった。

(09年横浜、10年〜巨人担当・堀江祥天)
https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/1082263/