姫路工・水谷完封 父と同じ舞台に1歩前進/西兵庫
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<高校野球西兵庫大会:姫路工4−0東洋大姫路>◇12日◇1回戦◇ウインク球場

 憧れの父と同じ舞台に1歩前進した。姫路工(西兵庫)のエース左腕・水谷倖志投手(3年)が、強豪・東洋大姫路を相手に公式戦初完封を飾った。
94年に同校のエースとして春夏連続出場した父信哉さん(41)を追って、入学を決めた。
プロスカウトが見守る中で三塁を踏ませない会心の投球を見せた。親子での甲子園出場に向け、力強くスタートを切った。

 憧れの父が背負ったエースナンバーが、水谷の闘志をたぎらせた。「打てるもんなら、打ってみい!」。
抜群のマウンド度胸でテンポよくストライクを投げ込んだ。
伸びのある直球にスライダー、カーブ、チェンジアップを効果的に織り交ぜ、強豪・東洋大姫路を6安打完封した。

 「父からは見習うことばかりで、まだまだ自分は及ばないです」。父信哉さんは94年に姫路工のエースとして春夏連続出場。
選抜では同校最高となる8強に導いた。中学3年の秋、オープンスクールで父が甲子園で投げる映像を見た。
大観衆の中、懸命に腕を振る若き日の父の姿が脳裏に焼き付く。「度肝を抜かれたじゃないけど、それくらい驚いた」。
その日を境に、同じユニホームで同じ舞台に立つことを夢見た。

 技術的な指導を受けることはないが、会話の話題はやはり野球が多い。親子でキャッチボールすることもある。
信哉さんは息子の快投を「高校に入ってからは一番よかった。純粋に野球を楽しんでいるように見えました。学校はどこであってもうれしい。
描いた夢をつかめるように、(父として)どうできるかですから」と温かく見守った。