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 右翼席前方に、グサッと今季8号。これまで、広い甲子園の菅野は手ごわすぎた。
2013年のプロ初登板から甲子園で7勝1敗、防御率1・37。2014年9月1
0日から6連勝中で、なんと被弾ゼロ。その右腕を打ち崩し、チーム初安打で、唯一
の得点を叩き出した。「節目の本塁打を、日本を代表する投手から打つことができて
光栄です」と振り返る、最高の150号だ。金本監督も「体も若いし。遅いぐらいで
しょ、彼の能力からすれば。あのフリー打撃をみれば300本ぐらい打ってもおかし
くない(笑)」とたたえ、さらなる量産を願った。

 日本ハム入団時の投手から野手転向、オリックスへの電撃トレード、そして虎への
FA移籍−。糸井にしか歩めない道を、糸井らしく歩んできた。日本ハムからオリッ
クスへ移籍した当時。「みんな、どこ住んでるの?」と関係者に尋ねた。そうですね
…と答えようとする間に、突然「姫路にしよか!」とひらめいた超人。大阪から10
0キロ近くある。周囲が慌てて止めると「残念やな…。パイオニアになれると思った
のに」と悔しがった。だれにもできないことをするのが、糸井らしい。そんな男だか
ら、この極限の一戦も打開できた。