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 若虎に勢いはある。この日はファーム交流戦・巨人戦(淡路)に「5番・一塁」で
出場し、V打をマーク。二回無死二塁。宿敵のD1位・鍬原拓也投手(中大)から、
中越え適時二塁打を放った。16日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)でも2
打席連続アーチ。「いろいろ考えてやっています。タイミングを合わせることを大切
にやっていきたいです」と前向きに話していた。

 昨季は生え抜きの右打者では2006年の浜中以来となる20本塁打をマーク。さ
らなる飛躍に向け、金本監督から「速球撃ち」を課題に挙げられ、レベルアップを図
った。しかしオープン戦で調子を落とし、開幕1軍入りを逃した。ファームでも、な
かなか状態は上向かなかったが、矢野2軍監督に助言を送られ、打撃フォームの修正
に着手。投手方向に体が突っ込む悪癖の矯正に取り組み、徐々に兆しが見えていた。
そして、ようやく、うっぷんを晴らすチャンスが巡ってきた。

 とはいえ、打率はまだ・197。“満を持して”の昇格でないことも事実だ。それだ
け、打撃陣の状態が低迷している。虎助っ人史上最高額の年俸3億4000万円で加
入した4番・ロサリオも浮上の足がかりはつかめず、迫力不足だ。

 「今年は我慢が長いけどな。でも我慢するしかないんだから。選手を信じて、上が
ってくれるものと信じてやるしかないですわ」

 金本監督は懸命に前を向いた。とにかく流れを変えてくれ!! “劇薬”となり得る
のが、高卒8年目の25歳、中谷。そのパワーで、虎が迷い込んだトンネルに光を差
し込むことができるか−。