2018.3.22 08:00
【広岡達朗 檄る!】阪神・藤浪、復肩へバックホーム繰り返せ
http://www.sanspo.com/baseball/news/20180322/tig18032208000002-n1.html

 野球は7割が、投手力が握っています。打力でいえば広島ですが、投手陣は不安。
投手力という観点で考えると、今年のセ・リーグは、どこが優勝するのかわかりませ
んね。阪神も、投手陣の不安材料が多い。下馬評では優勝候補と言われていますが、
現時点では、わたしは推せません。

 メッセンジャー、能見、秋山は決して盤石ではない。なにより気になるのは藤浪で
す。昨年末のコラムでも、手をはやく使いすぎるという指摘をしました。はやく投げ
ようとして、はやく体が開く。順番が違う、と。しかしキャンプから練習試合、オー
プン戦と見てきましたが、残念ながら変わっていませんね。

 本当にもったいないですよ。彼は素晴らしい素材。18勝、19勝しないといけな
い投手です。その力を引き出せないのは、何度も言いますが、教える側の責任です。

 投手の球は、速い遅いがポイントではありません。いかに打者の手元で伸びるかで
す。スーッとくる150キロなんて、なんの意味もありません。どうベース上で勢い
のある球を投げられるか。今の藤浪は“平凡な投げ方”。楽をしています。自分が一番、
投げやすいフォームで投げようとするから直らない。投げるのも打つのも楽なフォー
ムはダメです。打者が楽にバットを振ったら肩も膝も開く。どこかで我慢して、窮屈
な部分があるから、強い力が生まれるのです。投げやすい投げ方で楽に放っていたら、
成長はありませんよ。