2018.1.19 11:00
阪神園芸、甲子園の神整備生む秘伝の土作り オフの綿密な“下準備”
www.sanspo.com/baseball/news/20180119/tig18011911000012-n1.html

 1月の甲子園。選手がいないグラウンドで、新シーズンへの“戦い”は始まっている。

 「年に1度、土を耕すんです。寒くて日照時間も短い。限られた作業時間で2カ月
をかけて整備していきます。そこが全て。これで1年が決まると言ってもいい」

 金沢氏が説明した。「甲子園の土」は黒土と砂のブレンドからなる(詳細は関連)。
粒子が大きい砂に対し、細かい土は雨などで日々少しずつ下に沈み、固まってしまう。
年に1度の作業は、それを混ぜ合わせる大仕事。年明けから耕運機で深さ30センチ
まで耕した後、締め固める。

 「大きなローラーで固めれば簡単と思うかもしれませんが、それでは耕した意味が
ない。圧力をかけすぎると、雨が降っても吸わないグラウンドになってしまう」

 ここからは天気との共同作業だ。雨を待ち、雨量、気温などから蒸発する時間を計
算。ここぞのタイミングで土を固め始める。

 「水が蒸発していく感覚(をつかみ)、それが早くなっていくと、ほぼ完成」

 これぞまさに職人技。“日本一の水はけ”を誇るグラウンドは、この綿密な下地作り
に生命線がある。