難病に立ち向かう阪神・岩田の地道な社会活動を後押しした、同志の存在
2017年12月9日16時0分 スポーツ報知
http://www.hochi.co.jp/baseball/column/20171209-OHT1T50011.html

 華やかなパーティーだった。先日、担当チームの阪神・岩田が受賞した報知新聞社
制定「第19回ゴールデンスピリット賞」の表彰式に、同行させてもらった。長嶋茂
雄巨人軍終身名誉監督に、斉藤、熊崎新旧コミッショナー、ノンフィクション作家の
佐山和夫氏らが続々と控室に集まってくる。

 「もう緊張しまくりでヤバイです。ノドが乾いて、乾いて。変な汗も出て来ました
よ」と岩田は、興奮を隠せない様子だった。1型糖尿病を発症した高校2年の冬から
苦節17年。地道な活動がスポットライトを浴びたが、左腕には誰よりも報告したい
人がいた。

 「やっぱり僕にとって大村君の存在は大きかったです。大村君が頑張ってるから僕
もここまで頑張って来られたんだと思います」

 大村君とは、元エアロビック日本代表の大村詠一さん(31)だ。8歳の時に1型
糖尿病を発症しながら、昨年11月まで第一線で活躍し続けた。岩田が大村君を知っ
たのは、テレビ番組の特集がきっかけだった。

 「僕より年下で病気と闘いながら、競技に打ち込んでいる人がいるんだと思った。
テレビを見ていたら『あれ、この子、熊本なんや!』と思って。僕の父親の田舎が熊
本なんで、親戚のツテをたどって、大学入学前に会わせてもらうことになったんです」