>>438 続き

バレンティンは”モチベーター”としても、キャンプを盛り上げた。
ライト前ヒットを想定したベースランニングではこんな光景があった。

「ライトマエ」と、一塁から二塁へ走り出したバレンティンは、塁間で”マリオ”のようなジャンプを見せて笑いを誘い、
二塁に到達すれば太ももを押さえて「イタタタ……」と苦悶の表情を浮かべ、周りの選手やコーチが「おいおい」とざわつくと、
「ナンテネ」とおどけてみせた。その姿に球場はドッと沸いた。

バレンティンがその意図について語る。

「このキャンプは練習時間も長く、ツライです。でも元気を出して明るい状況をつくることで苦しさが少しは軽減されるんです。
これは自分のキャリアのなかで学んだことのひとつです。
やっぱり野球はチームワークですし、それが力となって強くなっていく。そういう雰囲気をつくり出せたらいいなと思っています」