2017.11.22 10:00
【あの虎戦士は今】三東洋氏、夢は二刀流!トレーナー兼指導者目指す
http://www.sanspo.com/baseball/news/20171122/tig17112210000013-n1.html

 早く治ってほしい−。そんな愛情を込めて、患者に施術を行う。三東氏は今、神戸市
内に開業した「日常鍼灸整骨院」で院長として働いている。老若男女問わず多くの人々
と触れ合う日々だ。現役時代は通算5勝0敗。虎党の記憶には“けん制の名手”のイメー
ジが強いのではないか。

 「武器と思っていないですけどね。(ただ)ピッチングのことを言われたこともなく
て、そっち(けん制球)のことで覚えてもらっていますね」

 現役時代と変わらない温和な笑顔で、振り返った。駒大から社会人ヤマハを経て20
03年ドラフト6巡目で入団。優勝した1年目は中継ぎでの5試合登板にとどまったが、
翌04年には6試合に先発し、5勝をマーク。先発左腕として大きな期待を集めた中で、
その素早い一塁へのけん制も話題となった。

 通算381盗塁を誇る赤星憲広氏の言葉がきっかけだった。1年目の春季キャンプ、
球場から引き揚げるタクシーで一緒になったときのことだ。「『(打者に)投げるか、
けん制か、見たらわかる』って言われて。そこから練習したわけではないですけど、け
ん制に対して、より問題意識は持つようになりました」。スピードスターからの指摘が、
左腕にプロとしての大きな武器を磨かせた。

 ただ、05年以降は故障に苦しんだ。左肩などを痛め、1軍登板なし。復活を期した
07年も春季キャンプ中の紅白戦で左肩を脱臼。そこからは、どうしても投げるときに
「怖さ」を拭いさることができなかったという。