柴田は「スモールベースボール」の申し子

 今季、新たに内野のレギュラー候補が、台頭した。2年目の柴田竜拓内野手だ。

 今年のレギュラーシーズンで自己最多の88試合に出場し、打率・233をマークし、プロ初本塁打も放った。
最大の武器は守備力。身長167センチの小さな体をフル稼働させ、俊敏に、そしてダイナミックにグラウンドを駆け回る。今季チームが、固定できなかった二塁を守ることが多かった。

 その潜在能力の高さを見込んでいたのがラミレス監督だ。
「彼(柴田)が守っているとピッチャーも安心して投げられる。倉本もいてダブルプレーを取ることに関して、素晴らしい守備力を持っている」と絶賛。
そして「(広島の)菊池に相当、近づいていると思います」と球界を代表する名手の名前を引き合いに出して、その将来性に期待した。

 柴田は「2番・二塁」で起用されることが今シーズンは多かったが、指揮官の構想ではそれが「スモールベースボール」型の野球だった。
小技のできる若武者を2番に入れることで、確実に得点を奪うプランだ。
ラミレス監督は柴田に「一日一善」を指示。打撃でも守備でも1日、必ず1ついいプレーをすることを求めており、将の期待の大きさがうかがえる。

 CSファーストS、ファイナルS、そして日本時リーズで二塁のレギュラーとして躍動した。
短期決戦前には「全く経験してないですし、その場に行けば嫌でも緊張する」と話していた柴田。だがひるむこともなく、堂々とプレーし、チームの勝利に貢献したことは間違いない。
「自分のやるべきことは変わらない。1球を無駄にしないということをやっていきたい」。
打撃、守備、走塁…、と基本に忠実で、堅実にプレーすることが柴田の持ち味であり、長所だろう。

 ショートも守れるユーティリティープレーヤーであり、来季は開幕からレギュラーの座をつかみ取りにいきたい。打線はロペス、筒香、宮崎とクリーンアップが強力なDeNA。
ラミレス監督は来季、スモールベースボールを徹底したい考えで柴田の存在も不可欠だ。“小さな守備の名手”の来季の活躍にも期待したい。

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