【ベイスターズひと筋11年 下園辰哉はこう見た】名手・倉本だけの責任にはできない痛恨エラー そこに付け込むソフトバンクが強い
2017.10.31

結果的に倉本(右)のエラーが“致命傷”につながった
★SMBC日本シリーズ第2戦(29日)

 ソフトバンクはすべてにおいてレベルが高いな、というのが正直な印象です。

 走塁ひとつ取っても、そう感じさせられます。7回に中村の痛烈な右前打で、二走・今宮が一気に逆転のホームを奪いましたが、普通ならリプレー検証以前に、三塁で止める当たりですよ。スタートが素晴らしかった。


 わがベイスターズとしてはこの逆転打の直前、1点リードの7回1死一塁の守備で今宮を二ゴロに仕留め、ゲッツーでチェンジと思いきや、送球を受けた遊撃手の倉本(寿彦、26)が落球。
オールセーフにしてしまったことが悔やまれる結果になりました。

 しかし、倉本は今季全143試合にショートでスタメン出場。守備は派手さこそありませんが、普段アイツの所に打球が飛べば安心できます。
皮肉なことに守備のうまい選手ほど、ああいう場面で瞬間的に「ここでゲッツーを取れれば試合に勝てる」とかいろいろなことが頭に浮かぶものだそうで、倉本だからこそ焦りが出たのかもしれません。
アイツだけの責任にはできない。そこに付け込むソフトバンクが強いのだと思います。

 ■下園辰哉(しもぞの・たつや) 1984年11月22日生まれ。ベイスターズひと筋11年、今季限りで現役引退を表明。左の代打の切り札として活躍。

http://www.zakzak.co.jp/spo/amp/171031/spo1710310006-a.html