【若鷹、あの夏】2013年仙台育英・上林 何もできなくて…夏

夏場にがくんと体重を落とし「体が言うことを聞かなかった」という。「打ったのは準決勝、決勝だけ。気持ちで。基本的に調子は良くなかった」
 初回打者一巡のおかげで2回も打席が回る。無死一塁。セーフティーバントの構えをした。試みること自体は珍しくない。ただ積極的な動機から
ではなかった。「打てる気、しなかったですね」。結局ここも空振り三振。試合中、チームメートに「俺、もう今日、打てんから」と宣言した。
 佐々木監督から「キャプテン、4番はチームに心配をかけちゃいけない」と諭されていた。「打てなくて心配されたり、暗い表情をしたりしちゃいけない、と」。
不調に目を背けず、なりふり構わず泥くさくいく。不言実行では周囲が意図をくみづらい。覚悟は言葉で伝えておくべきだと考えた。
 3回に一挙8点を奪われ6−9。4回に1点を追加されたが、6回に10−10と追いつく。上林の音無しは、なお続いていた。8回無死満塁の第5打席。
「さすがに打てるだろ」。肩の力を抜いたつもりだったが初球、ど真ん中をファウルにした。「ああなったらもう打てないです」。空振り三振。ドミノ倒しで
後続も三振、三振だった。
 第1試合から大量得点が続いた後の第4試合が、ノーガードの打ち合い。4万2000人をのみ込んだ甲子園に照明がともった。「ナイターになって異様な
雰囲気でした」。9回にサヨナラ勝ち。上林はしめて5タコ3三振だった。歓喜の輪に加われず、少し離れて見守っている自分がいた。「何でしょうね。恥ずか
しいというか。注目してもらってたし、スカウトも来てたし、大丈夫かな…って。自分ではあの試合で結構、評価を下げたと思います」
 2回戦の上林は4打数で単打1本と大きな見せ場なく、チームは常総学院(茨城)に1−4で敗れる。2年夏に11打数5安打。3年春は「イチローばり」と称された、
ワンバウンド打ちの二塁打など9打数3安打。飛躍の舞台だった甲子園で、最後にもがいた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170813-00010000-nishispo-base

甲子園だけの評価で一喜一憂するのは危険

まあ今でも上林は選球眼悪いけどなw