週刊文春  巨人・堤GM解任「忖度人事」の大迷走−混迷を極める巨人内部の深層? 
ジャーナリスト:鷲田康

・読売本社が堤GM解任に動き出したのは12連敗となった6月7日。5月の決算取締役会では、堤GMの留任が決まっていた。

しかし記録的連敗に山口寿一グループ本社取締役社長が激怒し事態は急転。

いまや渡辺恒雄主筆に代わり、読売グループを切り盛りすると言われている山口社長。

山口社長は法務部長時代に東京ドームの暴力団排除に取り組み。
その後も球団のトラブルでは陣頭指揮で事後処理にあたってきた。

古くからの関わりもあり良くも悪くも巨人に対する思い入れは強く、グループ本社トップ就任後も、ことあるごとに巨人に介入するケースが多いという。

・山口社長は今季も開幕からGMには直接指令を飛ばしていた。
連敗中には激しさを増して、試合中に激怒して何度も電話をかけてくることもあり選手起用や采配まで口出しするようになっていた。

・6月2日にクルーズを昇格させたのも山口社長の意見。

その日のオリックス戦でマシソンが8回二死から登板して3点差を追いつかれ延長戦の末に敗れる。
高橋監督の采配が悪いということになっているが現場は白けきっている

・このまま泥沼が続けば、コーチ陣に入れ替えを行うことになるだろう。
読売本社では斎藤2軍監督の評価が急上昇している。
もしBクラスでシーズンを終えると高橋監督の去就問題も浮上するかもしれない。
ただこの惨状は高橋監督、堤GMの責任なのか。
問題は根本的なチーム編成方針を間違えていること。
それなのに目先の勝ち負けに一喜一憂して、
本社が現場介入する。
そういう体質にこそあるはずなのだ。

・采配や選手起用への本社の介入は高橋監督の耳にも入っているはず。

心配なのは高橋監督がこういう体質に嫌気が
さして自ら責任を取ると言い出さないか。
可能性は否定できない。