日本には昔から「負けるが勝ち」という言葉がある
絶対王者は好まれない

源平合戦で一番の英雄は源義経であり、悲劇の天皇は安徳天皇である
真田丸で敗者石田三成の死は美しく描かれた
元禄期に人々の涙をしぼり人気を博したものは
近松門左衛門脚本の人形浄瑠璃、心中ものだった
新選組はずっと人々の心を捉えて続け
西郷隆盛は今でも敬愛されている

横綱決戦で必ず大鵬に負けた柏戸は人気を集め
北の湖は全盛期、強すぎてみんなから憎まれてしまった
9連覇しFAをかき集めて優勝を伸ばした巨人の人気は陰り
暗黒時代の阪神はなぜか人気が高まった
16連敗のロッテは負ければ負けるほど人気が沸騰し
エース黒木が9回二死から同点ツーランを打たれると
人々は彼を悲劇のエースと呼んで頑張りをたたえた