ステロイドは、強力な抗炎症作用、細胞増殖抑制作用、免疫抑制作用を有する薬剤として多くの疾患の治療に使用されていますが、長期的な使用によって生じる副作用について知っておく必要があります。
ステロイドが皮膚に与える副作用には、皮膚萎縮、皮膚線条、紫斑、多毛などがあります。ステロイドを長期にわたって使用していると、
皮膚が菲薄化して毛細血管を保護する組織が脆弱となり、皮膚が少し圧迫されただけで毛細血管壁が破壊されて皮下出血や紫斑を生じたり(図1)、
皮膚が少し伸展しただけで裂創などの二次的皮膚損傷が生じやすくなります(図2)。
ステロイドには細胞増殖を抑制することにより創傷治癒を遅延させる作用があるため、いったんこのような皮膚障害を生じると、治癒までに時間を要します。
また、細胞性免疫機能の低下によって易感染状態となるため、細菌感染や真菌感染を引き起こしやすくなります。

https://www.almediaweb.jp/skincare/part3/09.html