意外に知らないミネラルの話
~マグネシウムにさまざまな効能~
横田邦信・東京慈恵会医科大学客員教授
横田邦信・東京慈恵会医科大学客員教授

 ビタミンについてご存知の人は多くなりましたが、その一方、ミネラルのことは知られていないのが現状ではないかと思います。特に、マグネシウム(Mg)についてはその重要性についてほとんど知られていないのではないでしょうか。糖尿病や心筋梗塞、片頭痛、大腸がん、すい臓がんをはじめアトピー性皮膚炎や水虫など多くの疾患に関わり、ダイエットやアンチエイジングにも効果があるというMg。糖尿病とMgの関係ついて研究を続けてきた横田邦信・東京慈恵会医科大学客員教授に話を聞きました。

(聞き手・文 海原純子)
 ◇皮膚のバリア機能を回復させるMg

 海原 マグネシウムがアトピー性皮膚炎や水虫予防に効果があるというのは、ほとんど知らなかったのでちょっと驚きです。

 横田  アトピー性皮膚炎は、戦後の食生活の変化や社会環境の変化と関係があるとされています。特に食生活では、穀類の大幅な摂取減少に伴いマグネシウムの摂取量が減少したことと関わりがあるとされています。皮膚の角質層には、皮膚を丈夫にするセラミドがありますが、この中でアシルセラミドの減少が、アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の原因とされています。Mgはこのアシルセラミドの合成産生能力を高めて、皮膚のバリア機能を回復させるなど皮膚の調子をよくするのです。

 アトピーの人が海水浴に行ったり、塩分の濃い温泉に行ったりすると、皮膚の具合がよくなるということを聞かれたことがあると思いますが、これは海水や温泉に含まれるMgが関わっていると考えられています。Mgが真菌の増殖を抑え、角質のバリア機能を維持することで、水虫の予防や改善にも効果があります。

 Mgを食事でしっかり取ることと、皮膚に直接触れることによる作用が大事といえます。

 海原 Mgを食事で取らない傾向は、食生活の変化と関わるということですが、これは生活習慣病とも関係しますね。先生はこれに関して、大規模な調査を発表なさっています。
https://medical.jiji.com/topics/2378


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