漂白剤をお風呂に薄めて入れるとアトピーが改善する可能性?

 湿疹の症状が良くない子供は、慢性的な皮膚の感染症
で苦しみます。これまでの研究では、細菌の数と湿疹の重
症度との間に相関関係が認められているそうです。細菌が
炎症を起こしてさらに皮膚のバリアを弱くすることが示され
ているとのこと。その多くは黄色ブドウ球菌によるもので、感
染が治療が困難な湿疹へと悪化させてしまいます。一部
の子供は多くの抗生物質が効かないMRSA(メシチリン耐
性黄色ブドウ球菌)に感染してしまいます。その感染とアト
ピー性皮膚炎に対して漂白剤を希釈したお風呂の効果
を調べたおもしろい研究が紹介されていました。
 この研究では、滲出液や皮膚の状態などから細菌感染
の徴候がある6ヶ月から17歳の患者さん31人が対象にな
っています。全員がまず、黄色ブドウ球菌による感染を治
療するためセファレキシンが2週間投与されています。
 その後週2回、5‐10分間、コップ半分の漂白剤(次亜塩
素酸ナトリウム)をバスタブいっぱいの水に入れたお風呂
に使ってもらいます。対照群は同様に普通の水のお風呂
に入ってもらっています。漂白剤の入っていない風呂に入
る回数や頻度に制限はなかったそうです。さらに、ムピロ
シン軟膏(日本の商品名:バクトロバン鼻腔用軟膏)が1日
2回5日連続でMRSAに対する予防・治療のために菌が増
殖する鼻へ塗布されます。対照群には、同様にワセリンが
塗布されました。これらの患者さんを1ヶ月および3ヶ月の
時点で、菌の同定や症状の調査しています。