大人気で長期放送されたシリーズ作品には、その人気がしぼんでゆくセオリーってのがあって。

人気が右肩下がりになると、
作り手側は、そもそもの作品テーマの根幹を、改めてガッチリと見直そういう発想になる。

プリキュアシリーズでは
「女児向け作品で女の子主人公がハツラツとがんばる姿を見せよう。」 ってあたりね。

そしてそうやって基本テーマを先鋭的にしぼっていくうちに
作品内から排除されちゃうのが、一見すると雑多で不純だけど、本当はそこがウケてたんだけどね、ってところ。

まあシリーズを見続けてる人なら気づくだろうけど、
肉弾戦格闘やら、片思いやら、学園内でのゴタゴタやら、家庭内での家族との摩擦や葛藤。

人気が右肩下がりでこの状況を改善しなくては!っていう観念がある作り手側は
上記のそういう雑多でミーハーなエピソードを、避けちゃうのね。

これは作り手側が会社という企業内に属してる集団真理由縁なんだけど、
「人気を回復させるために良質な作品を作らなくてはならない、だからミーハーなモノを作ろうなんて提案したらマズイ。」

そういう空気が製作会社内に出来上がってる。
これはまあ、アニメに限らず、家電、自動車、あらゆるモノづくりで売れてた会社がダメになって行く典型的な「大企業病」ってやつなんです。

そうやって、女の子だって戦いたいで人気シリーズだったプリキュアも、
聖人君子で天然ドジっ子かつ良い子が、道徳の教科書みたいな教訓的なエピソードばかりの退屈なものになってゆく。

これは、スタッフの誰それが悪いとかそういうことじゃなくて、
長期シリーズが右肩下がりになると必ず起こる集団心理で大企業病の宿命なんです。