初めて付き合った子の家が貧乏だったっけ
授業が終わるとしょっちゅうノート見せてって言ってくる
返ってきたノートを見ると色々なメッセージが書き込まれてて
交換日記みたいなコミュニケーションの一つとしてやってんのかと思ったけど
実は視力が落ちてしまって黒板の文字が殆ど見えず
家が貧しくてメガネが欲しいと言い出すことも出来ないのだと知った
幸い俺は貯めてあったお年玉が結構な額になっていたので
それを下ろしてその金でメガネを作ってもらった

俺の決してイケメンとは言えない顔立ちがハッキリ見えるようになったせいか
半年くらい経ったらフラれてしまったけど
あんな風に、惜しいなどと毛ほども思うことなく自分を捧げられる相手が
短い間ではあったけれど居たという事が、その後の俺の心をずっと照らしてくれてる気がするんだな