放心状態で、部長室からでた。
伝票のことではない。
いつか言われた言葉を再び投げつけらたからだ。

歳相応の能力がない。

事務所時代のボスに言われた言葉。
10年経ってまた、言われた。

その後、自分は担当を外され、より簡単な仕事にまわった。ここでも自分は凡ミスを繰り返し、何か起きれば真っ先に疑いの目を向けられるようになった。一度など、書類に使う印鑑がなくなり、社員3人が、自分の机の引き出しを勝手に開け始める、なんてこともあった。