俺は32歳の板前です。16年10ヶ月お世話になった師匠が昨年12月23日に他界しました。
享年59歳でした。

俺は母子家庭で母は温泉旅館のルーム係をしていましたが、中三の2月に母が急死で俺は天涯孤独に
進学せずに母が務めていた旅館に板前として就職、母と住んでいた寮にそのまま住むことを許されて
二食付きの恵まれた職場でした。

親方(師匠の事)の境遇も俺と全く同じという事もあって特別に可愛がって貰いました。
親方も母子家庭で料亭の住み込みで親方が高1の12月に母が急死してそのまま料亭の板前として就職した
とのことです。

親方が27歳の時に結婚したそうですが、長女が生まれた時に親方の先輩に嫁を寝取られていた事が発覚し
署名捺印した離婚届けを置いてそのまま失踪、大阪、京都の料亭で修行して東日本の辺鄙な温泉旅館に
流れ着き33歳で板長になり地元では有名で一目置かれる存在でした。