第3に、激しいキャスティング競争により、アーティストとマネジメント会社は出演の強要で苦しんでいます。

同じ時期に開催される20件の授賞式が競争的にアーティストをキャスティングし、アーティストとマネジメント会社は苦しんでいます。受賞者として選定されるのは光栄でありがたいことですが、実質的には祝賀ステージを強いられることと同じ状況になってしまうケースが増えています。一部の主催者は、マネジメント会社が問題を提起することが難しい乙の立場であることを利用して、マネジメント会社や所属アーティストのイメージにダメージを与える報道や、放送出演の機会を制限するなどの報復措置に言及したりもします。

アーティストたちは契約関係によって、すでに決められている海外スケジュールや健康上の理由などで、授賞式への出演が難しい状況が多いのが現実です。それにもかかわらず、ほとんどが乙であるアーティストとマネジメント会社は、やむを得ず出演しなければならない状況に傷ついています。

第4に、不透明な選定基準で多くの授賞式が公正性と権威を失いました。

一部の授賞式は、授賞基準や受賞者の選定過程を公開せず、公正性と公平性の議論に巻き込まれています。消耗的なファン投票や授賞式への出席の有無によって、受賞者が決められることもあります。その反面、納得できる客観的な指標や権威のある審査委員団を備えた授賞式は少ないです。「出演すれば、賞を与える」という提案は、受賞者選定の客観性と公正性を自ら否定する行為であるにもかかわらず、多数のK-POP授賞式で行われているのは、公然の事実です。

第5に、授賞式の質が低下することによって、K-POP産業のイメージが損なわれています。

最近、一部の授賞式のステージおよび観客席で不始末が発生し、議論が起きました。低い水準の演出と音響で観客を失望させることが繰り返され、アーティストが転落事故に遭うこともありました。また、主催者は事故に備えて、円滑に状況をコントロールして現場を管理しなければならないにもかかわらず、これを疎かにしてファンの間の論争が起きるなど、事故に対応できなかったケースもありました。これは観客の安全を脅かす、とても重要な問題です。授賞式が収益性を追っていくイベントになることで生じた現象です。授賞式が韓国音楽産業の全般のイメージを向上させているかどうか、改めて考える必要があります。

最後に、マネジメント会社の事業的な負担も無視できません。

授賞式は主催者が収益のほとんどを持っていく、不公正な形へ変質しています。有料観客募集のためアーティストの出演を前提にしますが、アーティストはノーギャラや、不当なギャラを受け取ることがほとんどです。本来の授賞式はその趣旨に合わせてギャラが出なかったり、最低費用で行われますが、スタッフ、ダンサー、ステージ演出などの出張費用はもちろん、ビザ発給、衣装および装備の運送など、海外出張のためのすべての費用まで支払うには非常に足りない水準です。

主催者とマネジメント会社が十分な協議を行わなかったり、書面契約さえ締結しないまま、授賞式に出演するケースもあります。そしてこのようなケースはトラブルが起きると、無理なスケジュールを敢行するようにしたマネジメント会社が責任を負うことになります。マネジメント会社は法的なリスクと、アーティストとの紛争の可能性を受け入れなければならない状況に追い込まれます。また、爆増している授賞式の出演によりアーティストの海外ツアー、イベント出演が制限され、莫大な機会損失が発生します。