‘Better Late than Never’

ジェシカ・ジョンは冗談好きだ。歌、ちょっとした演技、ファッション・ビジネスの他に、彼女はジョークを飛ばすのが好きだ。
「Riding the Wind and Waves」から1年半、最新アルバムから6年、彼女は4枚目のミニアルバム『Beep Beep』を発表した。
アルバムの1曲目は『Better Late than Never』。6年もかかって、彼女は "まあ、遅かれ早かれね!"と言った。もちろん彼女は正しかったが、それにしても冗談好きだ。

『Beep Beep』は目覚ましい成功を収めた。初日に4万枚を売り上げ、ジェシカにとってこれまでで最も売れたアルバムとなった。
このアルバムの全曲は、中国のリアルタイム・チャート・プラットフォームであるQQミュージック急上昇チャートにランクインした。
Beep Beepがチャートをリードし、ファン人気の高いB面のGet it? Got it? Good は f(x)のアンバー・リウをフィーチャーした曲だ。
中国のプラットフォームでのチャートインは、彼女が中国で2年間プロモーションを続けてきたことから予想されていたことではあるが、賞賛に値するものであることは間違いない。

私の目から見ると、『Beep Beep』はジェシカのアルバムの中で最も音楽的に完成度の高い作品として際立っている。
個人的には『Better Late than Never』のベースの音色はあまり好きではないが、ギターの弦の音と彼女のヴォーカルの姿勢が共有されているため、アルバムのオープニングを飾るにふさわしい。
ジェシカの親友であるTiyonがプロデューサーであることを知り、彼の作品をいくつか追ってみたが、『You Got Nerve』や『Friend of Mine』で聴けるような彼のフィンガースタイル・アレンジは決して外さない。
『Better Late than Never』では、ギターのカウンター・メロディがとても簡単で耳に心地よく、繊細でありながら聴き逃せない。

今夜は時間を無駄にできる
あなたの心を吹き飛ばしてあげる
恋人たちのように
ああ、私はすべての線をぼかしている
催眠術にかかったみたい
恋人たちのように


タイトル曲のBeep Beepは、アレンジという点ではDoja CatのSay Soに似た典型的なポップスの方向性を踏襲している。もしそう呼んでいいなら、風変わりなラップ・ヴァースさえある。
埋もれたようなヴォーカル・ハーモニーは、Tiyonのオープンでダイナミックなハーモニー・デザインとは対照的で面白い。楽しくシンプルなポップ・ソングで、タイトル・トラックとしては無難な選択だし、
ジェシカのディスコグラフィには意外となかった要素である軽快さもある。Beep Beepは、それだけで私から「イエス」をもらった。

次の2曲は個人的にお気に入りだ。セクシーで自信に満ちた別れの曲は、彼女の才能の別の側面を示している。『Get it? Got it? Good 』では、ジェシカは長年の友人で後輩のアンバー・リウとコラボしている。
私はラップ・ヴァースの最大の支持者ではないかもしれないが、2人のシンガーの個人的なボーカルも、組み合わせたボーカルも、実に印象的だ。そして高音。彼女の心地よいアドリブが、ザ・ボーイズ時代と少女時代との思い出を呼び起こす。

『Best Summer』は私にとって傑出したコンポジションだ、 特にサビのメロディーの連なりが素晴らしい。
7thエクステンションをすべてフィーチャーしたハーモニックな伴奏が、彼女のヴォーカルの哀愁を引き立てている。Tiyonがアレンジしたギターによるアコースティックな演奏が聴きたい。