LE SSERAFIM、『EASY』での挑戦とチャート席巻で証明した“強さ” 『コーチェラ』目前に拡大する期待

世間からの視線を恐れず堂々とあることを掲げたデビュー作1st Mini Album 『FEARLESS』、試練の前での力強さを表現した2nd Mini Album『ANTIFRAGILE』、他人の許しなど必要ないと謳った1st Studio Album『UNFORGIVEN』と、常に外柔内剛的な“自信に満ち溢れ堂々とした力強いイメージ”を表現してきたLE SSERAFIMだが、今回のテーマは成功や今やトレードマークのようになった堂々と毅然とした姿の裏にある不安や悩みの告白だ。
イントロダクションの役割を果たしている「Good Bones」は、詩人 マギー・スミスの詩「Good Bones」からインスパイアされた楽曲。LE SSERAFIMは、「醜悪な現実の中にも美しさがある」というメッセージを韓国語、英語、日本語のナレーションで盛り込んでいる。特に「Because I've made it look easy」という歌詞は、今回のアルバムのテーマはもちろん、タイトル曲「EASY」にもつながっている。

MVも公開された「Smart」は、1を見て10を知るようなスマートさで「勝者(winner)になる」という抱負を歌った曲で、「すべては大きな野望を持つ私の計画通り」という展望と「私の敗北の上に咲く美しさの代わりに/もっと強い名前 “villain”を選んだ」のフレーズには、今まで彼女たち自身も自称してきた強靭さやタフネスを超えたスマートな強さを感じさせる。避難や中傷を浴びることが通常運転であるvillain(ヴィラン)=悪役を標榜することは、“ガールグループ”としてはリスクもあるだろう。しかし、それが同時にリスクの根源となる非難そのものを無効化する力も感じさせる。

成功からの世間に対する心情吐露(「Good Bones」「EASY」「Swan Song」)、しかしそれさえも今では私たちの計画通り(「Smart」)――作品のラストを締めくくる「We got so much」で、グループを支えてきたファンダムであるFEARNOTへの感謝でしめるという流れは、アルバムを通して聴いてみれば、LE SSERAFIMの持つ“強さ”を印象づけ、新たな気づきを与える構成になっているようだ。楽曲面では、特徴的なサビのループは健在ながらも、脳裏にこびりつくような強烈なリズムやパワフルさというよりは、エフォートレスで今のK-POPのトレンドとも言えるイージーリスニング的な耳触りの、何回でも繰り返し聴きやすい仕上がりの曲が揃っており、いずれの面でも新たなジャンルとイメージに挑戦し、成長していく姿を見せている。

今作は、アメリカ国内でも約3万3500枚を売り上げ、3月9日付のアメリカ Billboardのメインアルバムチャート「Billboard 200」では8位に君臨し、前作1st Studio Album『UNFORGIVEN』に続き2作連続でTOP10に入った。さらにタイトル曲の「EASY」は、メインソングチャートである「HOT100」でもチャートインを果たした。昨年10月にリリースした「Perfect Night」がBillboard「Bubbling Under Hot Chart」にチャートインし、新曲「EASY」がついに「Hot 100」に名を連ね、人気上昇の勢いをみせた。主流ポップ市場のアメリカでも着実にファンダムを構築しているLE SSERAFIMは、アメリカBillboardの2大メインチャートで名を連ねるなど、今後の活躍に世界が注目を集めている。

 4月に開催される『コーチェラ』では、今年のラインナップのなかでK-POPガールズグループとして唯一の出演となる。歴代の韓国アーティストにおいて、デビュー後最短期間で同フェスでの単独ステージを経験する。デビューから着実に人気と知名度を世界的に拡大し、新たな姿にチャレンジしながら突き進むLE SSERAFIMが、次にどんな姿を見せてくれるのか、さらに期待が高まる。 

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