私はカミリアであるが、長いこと次のように考えていた。
綺麗な娘たちであるし、あまりに人気もあるし、ファンたちに嫌気が差しているだろうと──

しかしハラのインスタライブ等を注意深く見ているうちにあることに気づいた。
現実はその真反対であって、恋愛の失敗によって傷ついているハラにファンたちが嫌気が差していたのだった。
また病気のハラに嫌気が差していた。

ハラはいつもいつも「ファンたちとの約束」という言葉にとらわれていて、ハラのほうがきちがいじみるほどファンを求めていた。

だから私は、この小鳥のような娘──傷ついて死にかかっている、そしてついに死に絶えてしまう娘に許しをこいたい。

ハラはどんな場合も「力」ではなく、愛情と謙遜──つまりKARA らしい少女の力をもって私達をトリコにしようとしていた。
彼女にはそれしかできなかった。

僕もそうしようと思う。

ハラの死は、いっけん悲劇であるが、じつはちがうのだと信じる。じつはこの一人の若い娘の死は、世界の隅々にまで伝わり

僕たちの心の奥底に沈んで、そこに納まった。