>>178
金尚弼(きんしょうひつ)
昭和20年2月11日満州新京で編成された特攻隊に自ら志願
昭和20年4月3日 宮崎県新田原基地より第5編隊長として沖縄西方洋上に出撃 戦死 24歳。

恐らく家族とはこれが最後の別れになると思った金は、2月25日、平壌の三根旅館で日本軍将校になることを反対していた
兄・金尚烈と会いました。兄から懸命な説得を受けましたが、

「自分は朝鮮を代表している。逃げたりしたら、祖国が笑われる。多くの同胞が、一層の屈辱に耐えねばならなくなる」
「僕は日本人になりきって日本のために死のうとしているのではありません。そこをよく解って欲しいのです。お父さんとお兄さん、
この二人の意志を継ぐために、日本を勝利に導いて、その暁に我々の武勲を認めさせて独立にもってゆくことなのです。
大東亜共栄圏として、ビルマ、インドネシア、朝鮮、みな独立の道があるはずです。日本が強くなればなるほど、
地下の独立運動は無力となりますから、それより日本に協力して独立を勝ち取る、その方が確かだと思うのです。
戦友や部下たちとは、一心同体であり、民族のしこりや壁はありません。民族の魂は売り渡していません。
朝鮮の魂で頑張ってきました。僕の考えはきっと御先祖様も許して下さると思うのです」。