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時計の針が10時を回ると、約束通り小さなノックの音が聞こえてくる。
少し夜風に当たってくると言って部屋を抜け出したソル子が、同じ4階に宿泊している私にこっそり会いにきたのだ。
メンバー全員京都に来るもの旅館に泊まるのも初めてで、夕食後は皆で一緒に露天風呂も楽しんできたという。

フフ、そういえばカイセキ料理って発音、韓国人には悪口に聞こえちゃうんですよ。このクソ野郎〜みたいな意味だから・・・。
ご飯の時、日本のマネージャーさんがそれ言うたび、皆で笑いをこらえるのが大変だったの。

風情のある木造りのテラスにデッキチェアを並べ、山麓に広がる古都の街明かりを眺めながら、楽しげに喋り続けるソル子。
私は黙って話を聞きながら夜景には目もくれず、まだあどけなさの残るその美しい横顔だけを、ただ感嘆の眼差しで見つめていた。

一陣の夜風がその長い黒髪をふわりと持ち上げ、白く透き通ったうなじが一瞬ぼうっと浮かび上がる。
風が気持ちよかったのか、両腕を上げて足をぴんと伸ばし、大きく伸びをしてから足を組み替える。

休む間もなく喋り続けながら、時々体を動かすたびに、適当に着付けただけの浴衣が徐々にはだけてゆく。
白い太ももがますます露わになり、すでに大きく崩れたその襟元からは、豊かな胸がこぼれ落ちそうになっていた。

私はグラスを空けると、はやる気持ちを抑えながらそっと手を伸ばし、マシュマロのように柔らかい彼女の頬をそっと撫で回す。
猫のように嬉しがりながら、その手を握り返し、甘えるように口元に引き寄せると、指に口づけを返すソル子。
それから急に真顔になり、目を潤ませながら、静かに言葉を続ける。

あとね・・・ポーチとジャージも、韓国では言ってはいけない言葉・・・。でも、悪口とは違うの・・・。
そう言いながら、掴んだままの私の手を、浴衣の下に導き入れる。肌着の上からも、熱く濡れているのがはっきりわかる、彼女の女の部分。

ここが・・・私の・・・ポーチ・・・。わかる・・・よね・・・・。
かすかに聞き取れるほどの震え声で囁きながら、真剣な眼差しで私を見つめるソル子。
それ以上、お互いに言葉は必要なかった。

両手をとって彼女を立たせると、かろうじて体に引っかかっているだけの浴衣を完全に剥ぎ取り、夜景を背にしてテラスの柵にもたれさせる。
まさか・・・ここで・・・?
わざとらしく驚きながらも、さりげなく私の首に両手を回し、実は最初から期待していたような様子で尋ねるソル子。
返事の代わりに彼女の左足を優しく抱え上げ、熱く濡れた互いの下腹部を重ね合わせる私。
せっかく露天風呂を楽しんでもらったからには、露天の愛も味わっていただかなくては・・・。

そのままテラスの柵から半身を乗り出すほど仰け反り、前から私に突かれながら歓喜に身を震わせるソル子。
遠く煌めく京の夜景を背に、暗がりにぼうっと浮かび上がるその白い乳房が、目の前で妖艶に波打ち私を惑わせる。
その官能的な幻影に魅入られ、催眠術にかけられたように吸い寄せられながら、無我夢中で顔をうずめてしゃぶりつく私・・・。
それに応えるように、満天の降るような星を仰ぎ見ながら私を締め付け、一層激しく華麗に乱れ舞うソル子。
お互い声も出せず、激しく漏れる息づかいと、濡れた肉の絡み合う音だけが、無限の闇夜へと吸い込まれていく。

だがその静かに抑制された状況が溜めとなり、二人は最後の最後に、最高の絶頂へと駆け上がっていくのだった。
体の底から絞り出すような、深く熱い吐息を漏らし合い、互いの体にしがみつき、何度も打ち震え、そのまま星明かりの下で一緒に果てる二人。


そのずっと下方、3階下の露天風呂では、何も知らないナウンが二度目の女湯を一人で楽しんでいた。

-完-