2016年年初にまずCreamをユニットで立ち上げて、Twiceの楽曲をやったブラック・アイド
・ピルスンを招聘したのは、明らかにヨジャ市場に立ち向かえるかのアンテナショップ的な
アプローチだったと俺は見てる。ただ、高身長モデル体型のヘジョンと表情の乏しいユナでは
少女層にはおっかないし、とても等身大の“私達のモデル”にはならない。単に場違い感が甚だ
しかっただけと思う。(強いてあれをやるなら、リアルに若いソリョンとチャンミを軸に、十
代の練習生を引っ張り上げてやるべきプロダクツだったと思う。)

だからGood Luckでは、また別のアプローチで「強いオンニ」という像を押し出してみた
わけだが、猫似の時のようにフィクショナルなキャラでもないし、ミニスカ、おかっぱ、
シンクンへでのカワイくて一途なエロ女という(男にはすごく都合の良い女)のAOAの規定
路線とは真逆の設定で、いくら露出度が高くても男は引くし、少女層は「タカビー」に化けた
シンクンからの落差にに恐れを成すだけで、カッコイイとは思わなかったと思う。

日活の爆死を経て、とにかく本国市場奪回を目指したExcuse Meは、Good Luckでの年相応
のリアル感を捨て、猫似のマンガ路線とミニスカの一途路線をくっつけた、恋愛ストーカー探
偵設定ーーいわばこれまでの「勝ちパターン」を統合した必死の市場奪回作だったわけだ。

ただ、この必死の背景設定も、Twice「Knock Knock」の女子ウケするディズニーっぽい品の
いいコメディ世界や、ヨチンの「Finger Tips」の可愛らしい時空ファンタジーに挟撃されてて
あきらかに浮いてしまってて、過去の固定客こそなんとか呼び戻した感はあったけど、時流ど
真ん中の少女層から「だから何?」って反応しか貰えなかったんだと思う。

次、AOAが狙うとしたら、IUや一足先にセクシー路線を打ち切ってシティーポップを取り込ん
だEXIDの「Night Rather Than Day」の市場なんじゃないかな。

20代後半からの大人女子をイメージしたリアル感のあるR&Bで押し出していけば、チョア、
ユナ、ヘジョンの3本のヴォーカルも活きるし、いわゆるGG卒業組のソロヴォーカル歌手が
よくやるような演歌じみたバラードとも違う、もっと大人ポップスの市場が切り開けないか
なとね。そこにはTwice世代の子達が成長してどんどん流入してくるはずだし。

雛形になる実例だと、グループ外のチョア単体だけど

https://www.youtube.com/watch?v=3i3ufwDSG4o

あるいは

https://www.youtube.com/watch?v=iRIjdPpmvW4

もっと「音楽」を軸にソウルフルな歌姫路線で「アイドル」からアーチストに移行して
いってくれないかなあと、ずっと妄想してるよ。