台湾は今年2月、TPPへの参加意向を表明していた。国際社会での活動拡大を図る台湾としては、中国をけん制する狙いもあってTPPへの参加を強く望んできた。
 しかし、今月16日、中国政府がTPP参加の正式申請を行ったと発表した。台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権はこれを受けて、正式申請を急いだとみられる。TPPの参加には全加盟国の同意が必要で、先に中国の加盟が実現すれば、台湾の参加は事実上不可能となるからだ。
 今後、中台のTPP参加を巡る駆け引きが強まることが予想される。早期加盟の見通しが立っていない中国が台湾の先行参加を阻止するため、加盟各国に対する外交的な働きかけを強める可能性もある。