そしてこの言葉に、マスコミなどが飛びついた。

 彼らは好んで使用するようになり、雑誌などで埼玉の特集が組まれると、結構な確率で使われるようになった。

 話はこれだけで終わらない。

 この時期、こうした埼玉をディスる風潮に乗じて、埼玉の差別的な偏見を題材にした、埼玉を漫画が出現する。

 いよいよ埼玉も終わりか、と思われたが、この漫画はあまり売れなかったようで、そこまで話題にはならなかった。
そしてこの頃から、埼玉をディスる風潮は落ち着きをみせる。

 幸か不幸か、一過性のものとなった風潮は、「ダ埼玉」という言葉のみを残して消え去った。
風潮の発端ともなった「ダ埼玉」だけが残るとは不思議だが、この言葉が埼玉の大幅なイメージダウンに貢献したのは言うまでもない。
「ダ埼玉」という言葉はバッチリ定着したまま残ってしまったので、埼玉の“ダサい”という認識は簡単には消えなかった。

先述の“埼玉をディスる風潮を題材にした漫画”というのは、最近になって話題を呼び、爆発的に売れているそうである。
埼玉をディスる風潮が再来しない、と信じたい。