そしてこの言葉、あまりにも上手すぎたのである。

 タモリも例外ではないが、多くの人々には「埼玉は野暮ったい」というイメージがあったのだろう。

 で、彼の発言は、こうしたイメージを一言で言い切った。
埼玉に そういったイメージを抱いていた人々にとって、この言葉はさぞ的確に映っただろう。

 当時から賛否両論あったが、世間では若者を中心に面白がって使いまくる人々が続出。
「ダ埼玉」はその年の流行語にもなった。

バブル絶頂期にさらなる発展を遂げた東京とは対照的に、埼玉はベッドタウン、そして農村のイメージや野暮ったく田舎臭いイメージが強かった。

 こうして、世間的には「ダ埼玉」という言葉に納得してしまう人々が増えてきた。
異論を唱えるのは埼玉県民だけで、他県民などは ほとんど反発しない。
まあ埼玉県民の中にも「仕方ないか」と諦める人もいただろうが、埼玉のダサいイメージは、割とあっさり定着した。

 こうして、埼玉を“ディスる”風潮が始まったのだ。