▼尾上若葉(元AV女優)の母親
もともと求めていた将来じゃなかったから子育ってて難しい
(母親が泣き崩れる)
彼女が一生懸命頑張ってても私友達に彼女の仕事言えないからね
この子はかわいいんだけど自慢の娘じゃないんですよ
うちの娘、今こういう事してるのよとか今こうなのよとか、他のお母さんたちって言うじゃないですか
でも私は言えない・・・光を浴びてる仕事じゃないから
もし好きな人と出会って結婚して子供生んだ時、その子供のお母さんがAVなんだよって言われた時にその子供はどう思うんだろうって
その子供の人生っていうのはどうなっちゃうんだろうって

▼川奈まり子(元AV女優)
元AV女優で、前歴を隠さず、その後の人生を堂々と送れている人は、そう多くない
はっきり言うと、AV女優になることで、「その後を生きること」は困難になる
たとえば「AV女優をやっていた」と聞いたら、「うちの会社では雇えません」
「うちの息子と結婚させるわけにはいかない」という話になることがありえる
他には「住居の賃貸を断られたり」、「大学を退学させられたり」する
(AV女優は)後ろめたい仕事だという認識が社会には暗黙のうちにある
日本には、セックスワーカーを「潜在的な犯罪者」として見る風潮もある

▼小室友里(元AV女優)
20年前も今も、「元AV女優」たちの前には、大きな壁が立ちはだかっている
(AV女優という仕事は)親は納得しないし、理解もできない
転職して思い知らされたのは、「元AV女優」に対する世間の風当たりだった
それは20年近く経った今も変わらない
企業経営者たちに「元AV女優に協力できない」(元AV女優と一緒に仕事をできない)と言われた
「AV女優は自分の性を切り売りしてお金にしてる汚いやつ」という認識を、誰も正そうとしない

▼紗倉まな(AV女優)
(仕事について)「AV女優だから、この時間帯の番組には絶対出られません」、
「今も日々セックスをしている人だからダメです」と言われる

▼田中俊之 准教授(社会学)
こうした状況は「男性中心社会の論理」が背景にある
この構造がすぐさま解消するというのはかなり難しい