その後、交換したLINEを使って僕たちは何度も通話をした。

今は本当にいい時代だと思う。

何百キロも離れた同士でも、まるですぐ近くにいるように話ができる。

話す度、もっと彼女のことを知りたいと思うようになった。

こんなに他者に対して興味を抱くことは、これまで無かったと思う。

彼女は割とオープンに色々なことを話してくれた。

時折話に出てくる元カレに嫉妬してしまう自分に驚いた。

自分にこんな気持があるなんて知らなかった。

何が好きで、何が嫌いなのかを聞いたけれど、まだあまりわかっていないと思う。

ブニュッとした食感のものと動物の内蔵が食べられないことだけは把握できた。

その反面、僕の好き嫌いは的確に聞き出されて完全に把握されている。

そうやって僕自身のことを知ろうとしてくれるのは、とても嬉しい。

僕の食生活が荒れていると、野菜を摂るように諭された。

一念発起して作った野菜の料理は割と美味しかった。

これまで頑なに自炊をしなかった僕が料理をしていることに、自分で驚いた。

こんな風に、変えられてしまうものなのかと。

時にワガママを言われても、甘えられるのが嬉しい。

こちらからも年甲斐もなく甘えてしまうことがある。

みっともない所をたくさん見られてしまったなと思う。

こんなに誰かに対して内面をさらけ出してしまう自分に驚く。

彼女はとてもしっかりしているようでいて、どこか放っておけないところがある。

それがとても愛おしいと思う。