野田についていったなかにはイエローキャブ時代の2002年、青山学院大学経営学部在籍中に
野田にスカウトされた小林恵美がいた。

 初対面でバストのカップとパスポートを持っているか聞かれただけで、1週間後ハワイロケに
行くことになり、イエローキャブに入ることになった。

 未来の逸材を発掘したときの野田義治の有無を言わせぬ強引なスカウト力は、相変わらず威力大であった。

 小林恵美といえば抜群のスタイルに大人の色香をもつ女という印象が強い。水着になった小林恵美の
サッポロビールイメージガールのポスターは鮮烈だった。

 巨乳マイスターの眼力は衰えていなかったと感心したものだ。

 野田が悔悟の言葉を漏らす。

「それまで売れなかった橋本マナミが愛人のイメージでやってブレークしたんだから、おまえ、マナミと
ルックスが同じなんだからああいうふうにやれよって言ったら、“あれはマナミさんのポジション。わたしは
違う。そこまでやるつもりはないです”って。何するんだよって聞いたら、“お嫁に行きますから”って」

 さらなるブレークを予期させながら小林恵美は2018年9月30日をもって引退、結婚した。

 経営は決して安泰とは言えなかった。出航したサンズから、次のスターを発掘しなければ。 =つづく

▽野田義治(のだ・よしはる)1946年、富山県生まれ。渡辺プロ系列のプロダクションで夏木マリ、
いしだあゆみらのマネジャーを担当。80年にイエローキャブ設立。故・堀江しのぶ、かとうれいこ、
細川ふみえ、山田まりや、佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMIらを発掘し「巨乳軍団」の名物社長
として知られる。04年に同社社長を辞任。現在はサンズエンタテインメント会長。