日本は四季があり梅雨も存在する。近年はゲリラ雷雨もあって、試合日程消化の観点からみればドーム球場は最適。
実際に米国でも高温多湿で雨が多いテキサスやフロリダ、積雪の多い寒冷地のミネソタ、シアトルなどドーム球場建設が相次いだ。
しかしそれも1周回り本来の魅力『野球は空の下でやるもの』という概念から、開閉屋根採用の新球場などにシフトチェンジした。

東京ドームは1988年開場、今年で32年目を迎える。それまで使用されていた後楽園球場の老巧化に伴い、隣接地である
競輪場跡地に建設された。当時、後楽園球場で様々なイベントを継続開催しながら、隣では日本初のドームが建設中
ということで大きな話題となった。モデルとなったのは、米国ミネソタ州にあった1982年開場のメトロドーム。
MLBツインズやNFLバイキングスが本拠地としたドームで、空気圧で屋根を押し上げる方式など細部まで参考にされた。
しかし野球の本場でもメトロドームは不人気で、2013年に閉場し31年間の役割を終えた。

開場当時は巨人と日本ハムのダブルフランチャイズ。それまで空席が当たり前だった日本ハム戦も連日、超満員に
膨れ上がりチケット入手も困難を極めた。しかしその状況はバブルでしかなかった。年数が経つにつれ目新しさもなくなり、
日本ハムは以前の不人気球団に逆戻り。2004年には本拠地を北海道・札幌ドームへ移転した。

その後の巨人戦も数年はお客さんが入る状況だったが、近年はかつてような絶対的な球団人気はなくなり、
チームが不調に陥ると試合によっては空席も見られるようになった。

「問題はやはり東京ドームの深刻な老朽化。座席やビジョンを最新式のものに変えたりしているが、根本的には
開場時と変わらない球場。小手先の改修をしてもどうしようもない。東京五輪というタイミングで新球場建設
という噂もあったのですが……」

巨人担当記者は、東京ドームについてそろそろ限界が来ているのではと言う。築地市場跡地などに巨人新球場建設か、
という話が願望も込めてあがったこともあったが、それも叶いそうにない。