→一部のアンコウはオスとメスが永続的に融合するがオスはメスの免疫システムから攻撃されない
→仕組みを調べた結果、雌雄が融合するアンコウは既存の免疫能力を捨てていた
→アンコウは抗体やT細胞に依存しない未知の免疫システムを持つ可能性がある

アンコウの免疫システムを利用すれば既知の病原体を圧倒できるゲームチェンジャーになる

深海に住むアンコウは、驚くべき繁殖戦略を採用していることが知られています。

この繁殖戦略において、アンコウ小柄なオスは巨大なメスに永久と組織を融合させ、共通の血液循環を確立し、栄養の供給を完全にメスに依存するようになるのです。

この異常な現象は性的寄生と呼ばれていて、メスとオスが滅多に出会うことのない広大な深海に生息するアンコウの繁殖の成功に貢献しています。

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しかし通常、異なる個体の組織が体内に入り込んだ場合、拒絶反応が起こります。

なぜオスのアンコウはメスの免疫システムに攻撃されないのか……?

この疑問は1920年にアイスランドの水産生物学者が最初の融合体を発見して以来100年以上もの間、謎でした。

しかし今回、その謎がついに解き明かされました。

なんと性的寄生が行われているアンコウ種は、免疫システムに必要不可欠な抗体遺伝子やT細胞の機能が失われていたのです。

抗体や免疫細胞がなければ、そもそも拒絶反応は起こらないため、理屈としては筋が通った結果と言えるでしょう。