>>480
描写というか地の文ね。なにしろ原作では吉住の南北アメリカ大陸縦断約1万キロメートルの行程は
文庫本2ページ程度で片付けられてるので、描写というほどの詳しい記述は無い。

以下、該当するあたりを引用。

|(前略)どうにか夏のさかりには、テキサスのはずれまで来ていた。日にやけ、ガリガリに痩せこけた男は、
|ここで病気になり、長い間一軒の家の中で苦しんでいた。――夏の終りになると、男はまたつぶやいた。
|「俺は南へ行くんだ……」
| 熱にうかされたような、その眼には、とうの昔に正気がうせていた。――それでも彼は歩きつづけた。
| その年の冬、彼はパナマ地峡で死ぬほどの病気になった。苦しみがおそってくると、彼は手ばなしで涙をながし、
|ただ力なく、「ああ……ああ……」というばかりだった。
| パナマ運河をどう横ぎったのか、翌年の春、彼はもとコロンビアとよばれていた国の海岸を歩いていた。――だがそこから先、(後略)

こんな感じ。