20年前、母の自殺で悩んでいたころ、大学の後輩から「自殺するなら必ず教えて下さい。そのシーンを映画で撮りますから」と言われた。「約束ですよ」
原一男の映画も同じ理屈。後半生は地位、名誉、財産に恵まれて庶民の味方ぶって反権力を演じきった、実のところは権力者。趣味は若者への説教指導。
おそらく原一男は「全身小説家」で井上光晴の臨終の瞬間を撮りたいと家族に懇願したことだろう。しかし、呼ばれなかった。当たり前だよ。
死後に延々と井上光晴の女性関係をばらしていくものの、そのインタビューが長々しく退屈で。人には立ち入っちゃいけない部分もあるのにね。ご自分の女性関係は?
原一男は若手芸術家への支援ってことで国の金でニューヨークに半年か1年遊学している。高校もろくに出ていない原一男をニューヨークに行かせてもねえ。サンキューだって発音が変で、まったく英語ができない。台湾で見たとき衝撃だった。
で、帰国したら国家批判の発言ばかり。映画でも国家批判。
どこにも書いていないが、原一男の新潟の奥さんが資産家。仕送りしてもらっていた。それなのに浮気、女遊びばかり。恐妻家。門限は夕飯の時間。
女遊びはいっぱいしたが、大学教授の地位までプレゼントしたのは正妻だけ(大阪芸術大学)。本人いわく「あいつ(妻)は外面(そとづら)がいい」らしい。