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ただし、背徳的な作家や芸術家とちょっと異なるのは、祝祭的政治家や経営者の場合は、その祝祭創造活動そのものが社会的国家的規模で多くの人々を巻きこんでしまわざるをえないところでしょう。すなわち巻き添え、犠牲の可能性と、
文化的価値とを分離しがたいのです。そこでやや参考になるのが、犯罪についての文化的芸術的評価ですね。もう半世紀以上まえの事件ですが府中市での現金輸送車から三億円を強奪し、ついに迷宮入りとなった事件は、相当の人気がありました。
まったく人を死傷すること実にあざやかに奪ったから です。