14  いまはるかに思われるのは、基本的に定常的だった近代以前の世の中です。そこでは、余剰は投資されずにどうされたかです。成長発展拡大ではなく、何によって人々は日常を超えたロマン的な充実、実感を求める欲動を満足させたかです。
    それは非生産的な浪費蕩尽でした。その末裔が祝祭や宗教、文化芸術でした。その系譜は、いわば「虚業」の系譜として、歴史のなかで続いてきました。