強い野党になるためには、議席数を増やさなければならない。
しかし、現在複数乱立している野党のうち、ある野党の一つがいきなり議席を大幅に増やすことには現実味がない。
国民民主党、立憲民主党、日本維新の会のうちいずれかの野党が、単独でいきなり自民党に対抗できる勢力になることは到底無理だし、
ましてや政権奪取を遂げることなどは夢物語のレベルだ。そんなことを考えている各野党の政治家がいるのなら、
彼ら彼女らは政治家を即刻辞めた方がいい。政治家としてのセンスは0だ。

 そして、野党の政治家は自党の利益だけを考えるのではなく、
日本の政治のことを常に考えるべきだ。そうであれば、まずはとにかく野党全体の議席数、
すなわち「自民党以外」の議席数を増やすことから始めなければならない。

 内閣総理大臣の指名権を有し、政権の要となる衆議院議員の選挙制度は現在、小選挙区制がベースだ。
一選挙区につき一人の当選者しか出さない小選挙区制は、基本的に二大政党が政権を争う仕組みである。
つまり日本はアメリカやイギリスのような二大政党制を志向している。

 ゆえに、歴史と伝統を有し、日本人的価値観を代表している感のある自民党という巨大な政党が一方に存在するのであれば、
それに対抗する野党勢力も大きく一つにまとまらざるを得ない。
日本の政治が二大政党制を前提にしている以上、自民党と「それ以外」という構図にならざるを得ず、
有無を言わさず、野党を一つにしていくしかない。