新党結成の余波で、立民がじわじわと勢力を拡大している。新党不参加を理由に民進を離党した者をのみ込み、所属議員数を伸ばしているのだ
他党が「大きな固まり」を目指して再編に動けば動くほど、立民が大きくなるという皮肉な状況が生まれている

 「物の興廃は必ず人による。人の昇沈は定めて道にあり…。物事が発展するか廃れるかは全て人にかかっている」
国民の大塚共同代表は8日、結党後初の両院議員総会で、ファンを自称する空海の言葉を引用してこう訴えた

 ただ、肝心の「人」の数では、野党第一党の立民に差をつけられつつあるのが実相だ
同党は8日の常任幹事会で、小川元法相ら民進離党者11人の入党を承認した
これにより立民の所属国会議員数は、国民の62人に対し73人となった

 立民は、すでに野党第1会派が盤石な衆院に加え、参院でも着実に勢力を伸ばしている
小川氏ら新たな入党者に加え、民進を離党して無所属になった議員も含む計23人の新会派を8日に発足させた
7人だった参院会派の人数を一気に3倍以上に増やし、野党第1会派の国民に1人差まで詰め寄った

 立民は第1会派を逃したことにさほど口惜しさは抱いていないようだ
党幹部からは「新党ができたのだから、最初くらい花を持たせてあげないと」との軽口さえ聞こえる

 余裕の背景には、昨年の衆院選以降の野党再編の動きが、例外なく立民の党勢拡大につながっているという自負がある
民進と希望の間で合流や統一会派結成の動きが浮上するたび、離党者が続出して立民に入るという動きが繰り返されてきた