炎上した「銀行カードローン」、銀行業界が死守する「年収の3分の1超」の貸し付け

年の背が押し迫る12月21日、日本銀行本店内の記者クラブ。
新生銀行の工藤英之社長が臨時の記者会見を開き、
「レイク」のブランドで提供する銀行カードローンの新規融資を2018年春に打ち切ることを発表した。

新生銀の個人向け無担保ローン残高(保証残高をのぞく)は2017年3月期で約4000億円超。
同銀の資金利益の53%も占める稼ぎ頭で、その主力である「レイク」の新規融資をやめるというのは相当な決断だ。
工藤社長は「世の中の銀行カードローンの議論を踏まえた対応だ」と説明した。

もともとレイクは2008年に新生銀が買収した消費者金融会社によって提供されていた。
それを2011年に銀行本体に移し、貸金業法が適用されない銀行カードローンに衣替え。
上地雄輔さんやAKB48のメンバーらを起用したテレビCMは、消費者金融なら規制される放送上限の2倍前後も流していた。
傍から見れば、貸金業法の規制をすり抜ける事業移管にも映る。

工藤社長は否定したが、水面下で進む金融庁の検査や〈ご指導〉が背景にあるのではないか。
銀行カードローンを見直す動きは2018年も続くのか。(朝日新聞経済部記者・藤田知也)