わたしがこれを考え、見ていると、
一匹の雄やぎが、全地のおもてを

飛びわたって西からきたが、
その足は土を踏まなかった。

このやぎには、目の間に著しい
一つの角があった。

この者は、さきにわたしが川の岸に
立っているのを見た、

あの二つの角のある雄羊にむかってきて、
激しく怒ってこれに走り寄った。

わたしが見ていると、それが雄羊に近寄るや、
これにむかって怒りを発し、

雄羊を撃って、その二つの角を砕いた。
雄羊には、これに当る力がなかったので、

やぎは雄羊を地に打ち倒して
踏みつけた。また、その雄羊を、

やぎの力から救いうる者がなかった。

こうして、その雄やぎは、はなはだしく
高ぶったが、その盛んになった時、

あの大きな角が折れて、その代りに
四つの著しい角が生じ、天の四方に向かった。

その角の一つから、一つの小さい角が出て、
南に向かい、東に向かい、麗しい地に

向かって、はなはだしく大きくなり、
天の衆群に及ぶまでに大きくなり、

星の衆群のうちの数個を地に投げ下して、
これを踏みつけ、

またみずから高ぶって、

その衆群の主に敵し、その常供の燔祭を
取り除き、かつその聖所を倒した。

そしてその衆群は、罪によって、
常供の燔祭と共に、これにわたされた。

その角はまた真理を地に投げうち、
ほしいままにふるまって、みずから栄えた。