「多くの人が「受け入れる」という考えには強い抵抗を感じます。慢性の痛みやストレス
を抱えていれば、なおのことでしょう。そこには、どこか運命に消極的に従うような響が
あります。なぜ物事を「諦め」て、希望を捨てて生きる必要があるのか、と思われるかも
しれません。しかしマインドフルネスな受容には、そうしたことはまったく必要ありませ
ん。マインドフルネスによって深く集中した意識から生まれてくる受容のあり方は、よく
ある消極的な受容とは、似て非なるものです。マインドフルネスにおける受容とは、立ち
止まって、物事をありのままに認め、はっきりと見極めることなのです。現状をさしあた
り、ただそのまま受け入れます。人生にただ耐えるのではなく、積極的に受け入れるので
す。

また、マインドフルな受容には別の側面もあります。それは周囲の人々や世界への思いや
りを持つことです。(中略)その第一歩は自分自身を思いやれるようになることです。そ
のためには、自分の思う「失敗」「弱さ」「欠点」を理由に自己批判したり、どうしよう
もなく苦しんでいるのは自業自得なのだと自分を責めたりするのをやめる必要があります。
そして何より、あるがままの自分を、欠点やちょっとした癖や、抱えている痛みも含めて、
穏やかに認めることが望まれます。」
(『からだの痛みを和らげるマインドフルネス』ヴィディヤマラ・バーチ、ダニー・ペンマン著、
p.114)