神や霊魂の存在を支持しようとする、いかなる議論も、宇宙が無限であるこ とを考える時、その立脚点を失います。
天国なるものが、宇宙のある特定の場 所に存在することなどあり得ません。
というのも宇宙は無限なのですから、そ の中心もありません。

さらに前に説明したように、無限大の存在と無限小の存 在との宇宙の間では、質量の違いが大きすぎて、相対する時間の流れは全く違ったものとなっていますので、一切のコミュニケーションは成立し得ません。

そういうわけで、もし私たちが、死後の身体の中から出ていく不滅の霊魂なるものを想像しうるとしても、それはとても詩的というよりは、むしろナイーブなイメージですが、こういうことは原始人の考えることです。
宇宙は無限なのですから、私たちには、死者の霊魂なるものが一体どこへ行くのか、考えてみることすらできません。
死の瞬間に、人間の身体から出ていくエネルギーの量は無秩序に分散して、 周りの空間内に漂っているすべてのエネルギーと混ざり、その独自性を失いま す。
しかし、死んだばかりの細胞の中には、その独自性が含まれています。
この有機体は、オスとメスの遺伝子が受精の際に最初の細胞を形成しながら、確 定したプランに従って組成されたものです。